
皆様ごきげんよう。
です。
久しぶりにこのサイトを見てみたら、なんと最後に書いた記事がほぼ1か月前!ちょっと間が空いてしまったので、個人ブログのほうに書いていた記事をまとめてこちらに移植することにしました。
今回は、GW後から今までにテーマをいじった記録のまとめとなっております。
ランチアテーマが欲しいけど、なかなか気軽に診てくれるショップもないし、部品もなさそう...。普通に乗るのは難しそうだなぁ...。と思っているそこのアナタに!是非お読みいただけたらと思います。
このセクションはこちらの記事の続編となっています。併せてお読みくださいね。
まず、エンジン回転数が一定を超えると、アイドリングが2000rpmになってしまいます。具体的には空ぶかしで1800rpmを超えたり、普通に走っているときのシフトアップでクラッチを踏んだまま待ってみたりすると、アイドリングが落ちて来ません。ただし、停止状態であれば一瞬半クラにして負荷をかけたり、走行中であればブレーキで1500rpmを下回るレベルまで回転数を下げてやればアイドリングは元通りになります。以下、この症状を張付き現象と記載します。
また、エアコンオンでアイドルアップするとこちらもアイドリングが2000rpmになってしまいます。こちらは先述の症状とは異なり、半クラやブレーキによる負荷をかけてもアイドリングが戻ることはありません。以下、この症状をエアコン現象と記載します。
今回は上記二点のアイドル不良を改善していきます。
実際にはいろいろと迂回しながらの思考・検証ではあったのですが、ここでは最終的な詰め筋から逆算した診断の軌跡を記述します。
まずはじめに疑ったのはソレノイドバルブの故障です。ランチアテーマのターボにおいて、スロットルをバイパスするソレノイドバルブは2種類。アイドルコントロールバルブと、エアコンアイドルアップバルブです。

赤く囲った部品がアイドルコントロールバルブです。減速時や冷間時のエンスト防止を担います。

こちらはエアコンのアイドルアップバルブ。
このほか、AT車の場合はD・Rレンジにおけるアイドルアップバルブがエアコン兼用で装着されているようですが、私のターボはMTなので該当しません。
はじめに、張付き現象が起きている状態でアイドルコントロールバルブの下流をペンチでつまんでみました。結果、ほんの少しアイドルが下がったような下がっていないような気がするレベルの変化しかありませんでした。マニュアルを読むと、「エア・ソレノイドの下流をつまんでアイドリングが200rpm以上降下する場合、ソレノイドは異常であり、交換します」「エア・ソレノイドが故障している場合、エンジンはラフ・アイドルとなります(少なくとも6分間)」という記述があります。
結果とマニュアルの記述からして、アイドルコントロールバルブは正常に動いているようです。
次に、張付き現象が起きている状態でエアコンのアイドルアップバルブ下流をつまんでみました。結果、やはり回転数は変化しません。また、エアコン現象が起きている状態で同様の検証を行ったところ、少しだけ回転数が落ちました。しかし、まだまだ異常なレベルの回転数を保っていました(タコメーターを見ていないのでわかりませんが、おそらく1700~1800rpmはあったと思います)。
エアコンのアイドルアップバルブも正常に動いているように思われます。
次に、というか並行して疑っていたのは二次エアでした。しかし、私のテーマのエンジンルームに詰め込まれた配管はそのすべてが汎用品を用いた新品に交換されており、亀裂などで二次エアを吸っている気配はありません。
先のバルブのバイパス経路を含む様々なホースをつまんでみましたが、アイドリングが下がるような場所は一向に見つかりません。疲れてしまったので、この日はここで診断をやめにして、オーナーズクラブに原因の候補を聞いてみました。
オーナーズクラブの方から、エアフロ不良の可能性を教えて頂きました。しかし、ターボ車で配管が渦を巻いている形状のテーマで巨大なエアフロを取り外すのは若干手間がかかります。そこでまずは仕組みから勉強することにしました。
私にとってエアフロというのはエアクリボックス下流の配管にささっている小さなセンサーというイメージなのですが、これはホットワイヤ式エアフロセンサと呼ばれるもののようです。

拾い画ですが、私の中でエアフロといえばこの形状です。
ホットワイヤ式というのはその名の通り電熱線を温めておき、空気による温度下降の程度から流入空気量を計算する方式とのことです。手のひらサイズ、とても軽いセンサーで流入空気が計算できるというのはすごいですね。
一方テーマのエアフロはボックス形状の独立した部品であり、ボックス自体も鉄製で非常に重いです。幸い、前オーナーから引き継いだ予備部品の中にエアフロがあったのでそちらを観察してみました。テーマのエアフロはホットワイヤ式よりも原始的で、フラップが動いている角度から流入空気量を計算する、いわゆるフラップ式となります。

こちらも拾い画ですが、テーマのエアフロです。
矢印で示した部分がフラップになっており、画像手前から空気が流れ込みます。フラップにはダンパーによる抵抗が備わっているので、無駄なブレはなく、空気量に応じてなめらかに動くようになっています。そして、フラップに連動してブラシが可変抵抗上を動き、抵抗値が空気流入量に比例する変数としてふるまうという仕組みです。
確かにシンプルな仕組みではありますが、ブラシの摩耗やフラップ軸の摩耗など、調子が悪くなる要因は私にも簡単に思いつきます。それこそ空気で開いたフラップがそのまま固着し、エンジン側から負荷をかけることで圧力で戻る、などよくありそうなシナリオです。
しかし、よく考えるとエアフロの不良は今回の張付き、エアコン現象とは関係ないのではないか?という思考に至ります。
というのも、どういった過程であれエアフロの不良が引き起こすのは「実際の空気流入量と計算上の空気流入量の乖離」です。エアフロが故障しても実際の空気流入量が増えることはありません。もしエアフロのフラップが張付いているのなら、空気流入量はそのまま、計算上の増加した空気流入量に対して燃料を吹くことで空燃比がリッチに狂うはずです。
しかし、今回は張付きにせよエアコンにせよ「非常に元気に2000rpmで安定している」というのがミソです。空燃比はわかりませんが、少なくとも実際の空気流入量が増えていることは間違いなさそうです。
2日目はエアフロの制御を調べるだけではなくマニュアルを読み込み、テーマターボのP2に搭載されるLE2ジェトロの制御をそれなりに学習しました。その結果LE2ジェトロはそれほど複雑な制御をしていないことがわかり、シンプルな原因でアイドリングが狂っている可能性が高いと判断しました。
やはり疑うべきは二次エアです。1日目はバイパス経路ばかりを疑っていましたが視野を広げ、インマニにささっている配管を片っ端からつまんで回転数の変化を確認することにしました。
その結果ついに、つまむことで大きく回転数が下がる配管を発見しました。
その配管は何やらビニールテープでまかれた怪しいモノに繋がっていたので、まずはそれを外してみます。

こちらが怪しいモノ。3本のホースが繋がっていました。

ビニールテープを外した姿。
見ての通り、プラは白化して劣化の限界を迎えており、既にクラックが入ってしまっています。案の定この場所から派手に二次エアを吸っており、試しに繋がっている配管3本をすべてメクラしたところ、張付き現象は一切なくなりました。
3本の配管はそれぞれ
に繋がっていました。この条件からマニュアルを読んで該当する部品を調べます。その結果、この部品はキャニスターとインマニをつなぐ配管の途中にあり、インマニの負圧によってその流入量を変化させる「キャニスターカットオフバルブ」であるということがわかりました。
診断内容を踏まえ、今回はキャニスターカットオフバルブを交換する方向で作業を行いました。
しかし当然こんなプラのバルブは都合よく手に入りませんし、あっても海外通販で1万近くします。キャニスターなんて旧車ではなかったことにしてしまうテンプレの部品です。ちょっと割に合うコストではないので、簡単に手に入るもので機能を再現します。
まずはマニュアルで仕組みを確認します。

マニュアルでキャニスターカットオフバルブはここだけに登場します。後にも先にも説明はこれだけです。
やっていることはシンプルです。バキュームに負圧がかかっているときは開き、ゼロ圧、正圧では閉じるということです。
そこで今回はバイク用のワンウェイバルブを用意しました。4-5間にワンウェイバルブを噛ませれば負圧・ゼロ圧では開き、正圧では閉じるという挙動が実現できます。同時に、ワンウェイバルブには絞り効果もあるので流量もちょうどよくできそうな気がします。流量が多すぎてアイドリングに大きな影響を及ぼしてしまっては困るので、ホースに埋め込むオリフィス代わりにキャブジェットも購入しました。

amazonで購入したワンウェイバルブ。バイク用なので耐ガソリン性も問題なく、キャニスターからの空気を通すにはもってこいです。

こちらもamazonで購入したキャブジェット。キャブジェットは外周がネジになっているためホースに容易く埋め込むことができ、オリフィス代わりに使えます。耐ガソリン性も問題なし。
直結ではなく正圧で閉じる挙動を再現したのは、この車がターボ車だからです。オーバーブーストがかかればテーマのインマニには最大2.15気圧がかかります。この圧力がキャニスターに逆流すると、キャニスターやキャニスターに繋がる燃料タンクに被害を及ぼすことは想像に難くありません。そのため正圧でのカットは絶対条件としました。
ゼロ圧での開放が始動時の空燃比を狂わせる可能性なども考えましたが、そのあたりは様子を見ながら向き合っていくことにします。
作業は簡単。ワンウェイバルブをキャニスタ-インマニ間に取付け、負圧入力のホースは適当なネジでメクラしておきます。この状態でアイドリングして、ホースをつまんで回転数の変化を見てみます。

ホースバンドはサイズの合うものを購入しました。
回転数の変化はわずかにとどまりましたので、今回はジェットの埋め込みは見送ることにしました。
カットオフバルブを置換したことで張付き現象は完全になくなったのですが、エアコン現象は治らないままでした。しかし、このタイミングでのエアコン現象はアイドルアップバルブ下流のホースをつまむと一時的に解消したので、アイドルアップバルブの開度が異常であると判断しました。張付き現象の原因となっていた二次エアと相互作用して、状況がわかりづらくなっていたようです。
バルブの内部を調整することは難しいので、こちらもオリフィス代わりの絞りを追加することにします。アイドルアップバルブの口の部分にちょうどカットオフバルブの負圧入力用ホースをねじ込むことができたので、今回はこれで絞ってみました。

負圧入力のホースにはかなり長さの余裕があったので、カットして使用しました。
当初はこのホースの中にジェットを仕込んでみたのですが、アイドルアップどころかエアコンの負荷に負けてアイドルが落ちてしまいました。ホース単体にしたところ100rpm程度のアイドルアップになりましたので、今回はコレでいってみます。
仕上げとして、アイドルスピードを調整します。納車当時は冷間始動が本調子ではなかったためか、現在のアイドリングは規定値よりもやや高めとなっています。
アイドルアップの調整までを終えて、調整前時点でエアコンオフ;1100~1200rpm、エアコンオン;1400~1500rpmくらいになっています。
マニュアルを読んだところ、アイドルスピードの調整規定値は900+-50rpmとの記載があります。

赤く囲ったところでアイドルスピードを調整します。
一時的にスロットルワイヤーのリンクを外して、アイドルスピード調節ネジを回します。ロックナットを14mmのメガネで緩めてマイナスドライバーでネジを回すのですが時計回りで回転上昇、反時計回りで下降となります。何度か調整を行い、最終的に850rpmで安定するようにしました。
調整後のアイドルスピードはエアコンオフ;850~900rpm、エアコンオン900~1000rpm程度となりました。おおむね良さそうなので、しばらくはこれで様子を見てみることにします。
シンプルにエアコンが全く効きません。本当にびっくりするほど効きません。
ランチア・テーマフェイズ2の純正エアコンはR12ガスを使用する仕様です。R12はR134aの一世代前のエアコンガスで、フロンガスですので環境負荷への懸念から90年代以降使われなくなっていったという経緯があります。
このテーマは2004年にエアコンをレストアした記録が残っています。その結果なのでしょう、エキスパンションバルブには本来とは異なる"R134a"の記載がされています。しかしながらこれはエキスパンションバルブが134a用の部品であるというだけで、必ずしもその中身が134aであることを保証するものではありません(オーナーズクラブの方にご指摘いただきました。ありがとうございます)。

R134aの記載。写真手前がエンジンルーム、奥がバルクヘッドです。
記録(前オーナーのメモ書きです)によると、レストア時の修理内容は少なくとも
とのことです。このレストアに限らずかなり細かいメモが数多く残されているので、この時点で134a仕様に変更していればその旨を必ず書いているだろうとは思ったのですが、バルブに134aの記載がある以上無視はできません。
最後にエアコンガスを補充したのは2022年、車検などの点検を任せていた地元の修理工場にて行った記録が残っていました。丸26年間、計12回の車検は全てそちらにお任せされていたようですので、ここであればわかるだろうという確信の下、電話にて仕様を伺いました。
結論、ガスはR12仕様のまま変更されていませんでした。
エアコンガス(=冷媒)をエンジン動力で圧縮し、高温・高圧の液体に凝縮します。コンプレッサーからエバポレータにいたるまでの、液体が通る配管を「高圧側」と呼びます。下記手順で診断します。
コンプレッサーが回っていても、正常にガスを圧縮できていない状態、圧縮不良の可能性もあります。その場合はコンプレッサーの交換が必要ですが、一旦ここで回っていない可能性を排除します。
高温になった冷媒液を走行風で冷やします。ラジエーターの前に重ねておかれていることが多い印象です。
コンデンサを含めて軽くガスの経路を確認し、オイリーになっているところがないか確認します。エアコンガスには常に少量のコンプレッサーオイルが混じるため、ガス漏れしている箇所はオイリーになって汚れます。
今回は特に目立ってオイリーな場所はありませんでした。
高圧側配管にあり、冷媒圧力が高圧・低圧になりすぎた場合コンプレッサーを停止します。
こちらが故障している場合、そもそもコンプレッサーが回らない、オンオフを繰り返すなどの症状が出ます。今回はコンプレッサーが回り続けていたので一旦スルーしました。
液体になったエアコンガスを一時的に貯蔵します。この際水分・不純物などを取り除き、エキスパンションバルブが目詰まりするのを防ぎます。

テーマのレシーバータンクは赤く囲った黒い円柱状の部品です。すぐ奥にはサイトグラスが設置され、R12ガスはここを覗き込むことで冷媒の過不足をおおむね判断することが可能です。
この周辺もきれいで、ガス漏れの形跡はありませんでした。
霧吹きのような役割の部品で、液体の冷媒をエバポレーターへ噴霧します。冷媒は急速に気化してガスに戻り、この際気化熱として大量の熱を奪います。

青く囲った部品がエキスパンションバルブです。R134aのラベルが貼られています。
こちらが故障するケースの多くは、不純物などにより目詰まりして霧吹きとしての役割が果たせなくなるパターンです。特殊なツールなしでここを個別に診断する方法は思いつかなかったので、一旦スルーしました。
霧状のエアコンガスが通る経路が内蔵された、ラジエーターやコンデンサのような形状の熱交換器です。エアコンで循環される空気はエバポレータを通過する際にエアコンガスの気化熱を提供するため急速に冷やされます。ここで冷やされた空気が吹き出し口から出て来ます。

黄色く囲った、レシーバーの下にあるボックスの中にエバポレータが入っています。
こちらも目詰まりで冷却不良に陥る可能性がありますが、目視点検は難しいのでスルーしました。
ガスが正常な凝縮・蒸発サイクルを繰り返して空気を冷やしていたとしても、その空気が吹き出し口から正常に出てきていなければ意味がありません。ここから先はガスではなく空気の通過経路点検です。
内気循環、外気導入を切り替えるフラップです。スイッチとフラップがワイヤーで物理的に接続されているタイプであれば中々故障しませんが、テーマにはオートエアコンが装備されますのでフラップはモーターで動きます。

緑で囲った場所が外気の導入口です。フラップが動くとこの穴がふさがれ、室内で空気が循環されます。
エンジンをかけてしまうとわからないので、ACCに入れて切り替えスイッチを押します。モーターの動く音が聞こえたので、フラップは生きています。エンジンルームも覗きましたが、内気循環時はしっかりフラップが閉じられ、外気導入時はしっかり開かれていました。
テーマのオートエアコンは設定温度に応じてフラップを動かすことにより、冷気・暖気の割合を変えて送風温度を調整しています。
エンジンの暖機完了後、Loから28℃まで順番に切り替えたところ少しずつ風が暖かくなりましたので、ここも問題ないという結論に至りました。
点検するまでもありませんが、風が出てきていて風量選択に応じてしっかり風量が変わる状態ですので、ブロアファンに問題はありません。
空気やエアコンガスの経路にわかりやすい問題は見当たらなかったので、エアコンガスの量を確認します。
ガス量は最初に点検すべきところだというツッコミが出そうなのですが、これは実際の時系列とこの記事の順番が異なっているのが原因です。実際のところは最初にガス量点検を行ったのですが、その時点ではR134a、R12のどちらが入っているのか確証がありませんでした。そのため点検結果を正しく評価できないものと思い、先んじてガス漏れ・空気の経路に問題がないかを点検したという経緯でした。
ややこしくなってしまうので、この項ではR12仕様を前提としたサイトグラスによる点検方法を記載します。
サイトグラスはガス量点検を行う覗き穴で、R134a時代のクルマには装備されません。これは、R134aがR12と比べて高圧で運用される冷媒のため後述の診断方法が適用できないという原因によるものです。

白く囲ったものがサイトグラス。レンズを覗くことでガス量の過不足をざっくり診断することができます。
レンズを覗くと、白いもやと気泡がよく出ているのが見えました。
これは典型的なガス不足の症状で、適量が入っていれば基本的に中身は透明、少量の泡が流れていくのが見えるそうです(Dolceは今回が初めてのR12エアコンなので、サイトグラスによる診断もこれが初めてで正しい状態を知りません)。
診断の結果最も疑わしいのは経年によるガス抜けであるとわかりましたので、エアコンガスの入替作業を行いました。なお
はマニホールドゲージやR12用のねじ穴に適合するホースを持っていないので、オーナーズクラブの方に作業していただきました。本当にありがとうございます。
まずは現在使用しているエアコンガスを抜いていきます。エンジンルーム奥のセクションを覆っているちゃっちいプラカバーを取り外し、高圧低圧それぞれのバルブにマニホールドゲージに繋がるホースをねじ込みます。

赤く囲ったのが高圧側のバルブ、水色で囲ったのが低圧側のバルブのゴムキャップです。取り外すとタイヤと近い形状のバルブが現れます。
今回は現在入っているのが炭化水素冷媒であると確認できたので、そのままマニホールドゲージを緩めてガスを抜いていきます。なお、これが純粋なR12ガスだった場合はフロンガスの大気開放ということになるので違法です。

こちらがマニホールドゲージ。シンプルな圧力計とバルブの組み合わせですが、エアコンのガス圧を確認するには必須です。
ガスが抜けたら、ガス漏れの跡を確認します。今回は露骨に漏れているような場所はなかったので、そのままバルブ交換を行いました。ただ、まさかのここで苦戦することになります。
まずは低圧側ですが、バルブのつめが折れてしまっていて、取り外すことができません。バルブはタイヤのものと同じ形状で虫ゴム外しを使用しますが、これが引っかからないのでどうしようもありません。配管を取り外さないとどうしようもなさそうなので、ここは一旦諦めました。

拾い画ですが、こちらが虫ゴムの形状。画像右上の爪部分が欠けてしまっていました。
続いて高圧側。こちらは取り外すことはできたのですが、ゴム部分が固着していたのか配管内に残ってしまいました。タップをねじ込んで外そうとしましたが、まさかのタップが折れてしまい、それも配管内に残ってしまいます。
タップの刃先をマイナスドライバーやピンセットを駆使して救出した後、マイナスドライバーにすべてを任せてゴム部分も取り出しました。と書くと非常に簡単そうですが、バルブとの格闘だけで1時間かかりました。
ほかに、プレッシャスイッチのバルブも交換しておきました。こちらは固着も少なく、スムーズに交換することができました。

見切れてしまっていますが、プレッシャスイッチはオレンジで囲った部分にあります。コンプレッサーのオンオフ切替に使用されている部品です。
続いて、配管内が本当に密閉されているか確認します。いわゆる真空引きと呼ばれる行為です。
引き続きマニホールドゲージと高圧・低圧のバルブを接続し、マニホールドゲージ中央にあるガスの補充が可能な口にコンプレッサーを接続します。この状態でコンプレッサーから負圧をかけると、マニホールドゲージを通じてエアコンの配管から残されたエアコンガスや空気を抜いて真空状態にすることが可能です。

写真手前、右フロントフェンダーの上にコンプレッサーを置いて真空引きを行います。

先ほど貼ったこの写真ですが、こちらが真空引きを完了した状態です。高圧・低圧ともに圧力計がマイナスに振り切れています。
圧力計がどちらも振り切れたら、その状態でコンプレッサーの電源を切ってしばらく待ちます。配管にガスが漏れる場所があればそこから空気を吸うため、真空はすぐに崩れて圧力計はゼロに戻っていきます。
10分程度待ち、マニホールドゲージを確認しますが針は振り切れたまま。これならガスを入れても大丈夫です。
最後に、エアコンガスを補充していきます。エンジンをかけ、エアコンオンで最大冷却状態にします。テーマの場合はオートエアコンなので、Loにすると最大冷却、最大風量となります。
今回使用するガスはR12互換の炭化水素冷媒、商品名ではコールド12です。1缶あたりR12の250g相当ということですが、テーマの規定ガス量は700gですので3缶用意しました。
エアコン送風口の温度を手で確かめつつ、ガスを補充していきます。

補充の様子。ガス缶の口の形状も、R12とその他の冷媒では異なっています。コールド12はR12互換なので、口の形状はR12と同じです。
2缶まではそれほど冷えて来ませんでしたが、3缶入れるとかなり冷えるようになりました。オーナーズクラブの方曰く、もう少し高圧・低圧で圧力差が出ると良いそうで、実際若干冷却が足りないかも?とも思いましたがガスは規定量入りましたので、これで様子を見ることにします。
低圧側の虫ゴムはそのままになってしまっていますが、それはいずれ配管を外す大規模な作業とともに解決します。
上記大掛かりな二つの整備のほかに、フロントブレーキパッドの交換とメーターバックランプの入れ替えを行いました。

ブレーキパッド交換。夜だったので写真はありません。
ブレーキはオーソドックスな構造でした。キャリパーをスライドピンに固定するボルトを1本外してキャリパーを回転させ、パッドを入れ替えます。キャリパーのピストンを戻し、フルードの逆流によるリザーバーからの漏れを確認します。最後に外したボルトを締結すれば終了です。
メーターのバックランプは4つついてるバルブのうち1つが切れてしまったようで表示がかなり暗くなり、また一部の配線が直列なのか、エアコンパネルのバックランプがまったくつかない状態になってしまいました。
こちらの記事に記載した方法でメーターパネルを取り外し、メーターのバックランプを入れ替えます。玉切れしていることが把握でき、なおかつ点いていなくても機能に支障のないランプを考えた結果、ドアミラーデフロスターの作動灯に玉切れしたバルブを割り当てることにしました(ヒーテッドドアミラーも年式を考えると豪華装備ですね)。
既にホームセンターが空いていない時間帯だったので上記の仮処置を行いましたが、ぶっちゃけ本当に困らないので、バルブ交換はだいぶ後回しになりそうな予感です。
バルブ入替の結果、メーター・エアコンパネルともにバックランプ表示は正常に戻りました。スムーズに解決してよかったです。
以上、最近の整備まとめでした。このほか時間をかけてガソリン漏れを治したりしていたのですが、これ以上は流石に駄文長文すぎるので別の記事にしておきます。
アイドリングを含めエンジンは好調、二次エアを吸わなくなったことで回転の上昇・下降どちらも数段鋭くなりました。エアコンオンでもほとんど回転数が変わらないくらいのアップ量で安定していますし、エアコン自体も良く効いて一層気軽に乗られるクルマになりましたね。
現代日本の夏は40年前の地中海沿岸で設計されたクルマにはかなりキツいと思いますが、是非ノントラブルで頑張ってほしいものです。ちなみに156は好調過ぎてオイル交換しかしてません。頼れる~~~!(フラグ回収はやめてよね)