
一般的な自動車整備工場においてオイルフィルターの交換工賃がどのくらいか、皆さんはご存じでしょうか?
勿論工場や車種によって当然異なるものの、おおむね1,000円~2,000円くらいが一般的でしょう。ディーラーだともう一回り高くなる印象です。
さて、私はいつも川口市に本拠を構える某アルファロメオ専門店に156の整備をお願いしていますが、そこでの156GTAのオイルフィルター交換工賃は5,000円です。割安に、かつ確実にやっていただける専門店で尚相場の倍額以上の工賃がかかります。
その最たる原因は156に搭載されるV6エンジンの、いったいどうしてそうなったのか到底理解することのできないオイルフィルターの位置にあります。あまりにも恐ろしいので、今まで
はフィルター交換を自分でやったことがありませんでした。しかし今回、期限が切れそうなpaypayポイントでオイルフィルターを買ってみたことを皮切りにオイル&フィルター交換をDIYでやってみることにしました。
フィラーキャップが正常に外せることを確認し、オイルドレンボルトを外します。ここで既に様子がおかしい点が一つあります。

オイルドレンボルト。156のオイルパンはアルミなのでオーバートルクをやらかすと割れます。

絶妙な場所を配管が通っています。
写真を見てわかる通り、ドレンボルトのすぐ先にパワステの配管(だったと思います)が通っており、コマとラチェットが入りません。ボルトの頭自体は19mmと一般的なので手持ちのメガネでサクっと回せば緩むのですが、ラチェットにコマをサクサク付け替えて外せないのは少し不便です。
オイルの受け皿を用意し、オイルを排出します。

オイル抜きの様子です。奥に見える、とぐろを巻いているような配管は等長フロントパイプです。
今回オイルを発注した店舗のミスで、オイル交換が予定よりだいぶ遅れてしまいました。オイルはしっかり真っ黒です。しばらくサーキットを走る予定はないので、そこまでは今回のオイルを持たせる感じになりそうです。

取り外したドレンボルト。特に金属片がついたりといったことはなく、25万kmも見えてきましたがエンジンは健康体のようです。
今回の正念場です。焦ってもいいことはないので、ゆっくり確実に作業を進めます。
まずは配管のステー二箇所を止めているボルト・ナットを外します。

こちらは前側ステー

外すと写真右側の二本、パワステの配管がフリーになります。

ちょっとブレてますが、中央にある、配管二本を止めているステーが後ろ側のステーです。
アルファロメオはここで二箇所のボルト・ナットの頭の大きさが違う、みたいなことをやってくるメーカーですがこちらは幸いどちらも10mm。高頻度で使う分高頻度でなくすソケットで、ステーを外してパワステ配管を一部フリーにします。
前側のステーに四連の配管が固定されていますが、左二本がオイルクーラー、右二本がパワステのオイルラインです。156GTAはやたら気合の入った車なので、エンジンオイルクーラー、ミッションオイルクーラーが標準で装備されています。
オイルフィルターを覗きこみ、フィルター外しをかませます。
なお通常の汎用フィルターレンチが入るスキマはなく、またソケットも73mm14角という日本車にはまずない設定のため専用品を買うしか手はありません。せっかくなので少し高いですが、今回はコーナンでこちらのフィルター外しを買ってきました。

エーモンが出している汎用でかつコンパクトなフィルター外し。156のスキマの無い構造にはピッタリです。
あまりにも隙間が小さく、フィルター外しをかませるにも手探りでどうにかこうにか、という感じでしたがなんとかかませることに成功します。

オイルフィルターはブロックの後ろ側からバルクヘッドに向かって生えています。後ろ側のステーのさらに後ろから、上を覗くと視認することができます。赤い丸で囲っていますが、既にフィルター外しをかませた状態です。
あとは手元に長く、かつ首振りができるラチェットを用意して角度を合わせてはめ込みます。写真の赤丸に被っている二本はオイルクーラーの配管でほとんどフリーにはならないので、首振り機能が必要です。オイルフィルターですので当然トルクはそれほどでもなく、はめ込むことさえできれば緩めるのは難しくありません。
ある程度緩めたらオイルの受け皿がちゃんと置かれていることを確認し、手で回していきます。
この時、隙間とオイルフィルターの角度から手は車の前方からしか取りまわすことしかできません。当然フィルターの真下に腕を通すことになりますので、どう頑張っても前腕がオイルまみれになります。滴るオイルを甘んじて受け入れながらオイルフィルターを外し、フリーになっているパワステの配管を押して手が抜けるだけの隙間を確保しながら抜き取ります。

新旧オイルフィルター比較。モノは全く同じなので特に差異はないですね。
ここからは逆順なので語ることは多くありません。
オイルで滑ってしまうと十分なトルクで締めることができないので、一度作業手袋を外し、乾いたウエスを持ってしっかりグリップさせてフィルターを取り付けます。
成人男性が手で全力で締め付ければ、フィルターに対しては十分なトルクがかかります。
既に取り外しでヘトヘトなので写真はありません。
ワッシャーを入れ替えてドレンボルトを締め付けます。156はオイルパンがアルミで割れる危険性・ネジ山がダメになる危険性もあるので、メガネを使って漏れない程度にしっかり締めます。
漏斗を利用してオイルを入れていきます。今回使用したのはこちら。

ブレブレですね。
天下のSELENIA RACINGです。SELENIAの10W60は156GTAの純正指定オイルですので、これを入れておけば間違いありません。
某アルファロメオ専門店では、SELENIAの親会社にあたるPETRONASの10W60を入れてもらっています。
ちなみに156GTAのオイル量はおおむね6LなのですがSELENIAは5Lパックしかなく、PETRONASは1L缶しか売っていません。ペール缶を買った方がいいような気もしますが、持ち運びが面倒で億劫です。
フィルター交換後はフィルターにオイルが回っていないので、ある程度暖機運転をしてオイルが回った後、オイル量や漏れに問題のないことを確認して終了です。
ぶっちゃけわかりません笑。オイルを変えてもわからないということは、それだけ健康な状態が維持されているのだとポジティブにとらえておきましょう。
以上、まあまあ面倒な156GTAのオイル&フィルター交換でした。実は156のV6の中ではうちの個体はマシな方で、右ハンドル仕様は配管の取り回しなどの関係でさらに面倒なつくりになっているようです。もう少し高くジャッキアップされていれば多少は楽に作業できたような気がするので、次回は4輪ジャッキアップをしてやってみようかなと思います。