
クルマ選びには、人の数だけ基準があると思います。エクステリアやインテリアの好み、運動性能や快適さ、街中での取り回し、燃費、購入価格や予想される維持費など。
は基本的にタイミングがいいなと思ったクルマを買うようにしています。特定の車種を探すというよりは、「自分が購入するターンだな」と思った個体に随時手を出していく方向です。陳腐な表現を引用するなら「ビビッときたヤツ」を買うということです。そのおかげなのかどうなのか、まだクルマに触れるようになって4年くらいではありますが様々なクルマに巡り合い、触れることが出来ました。所有歴は個人サイトにまとめております。
自分にとって購入したクルマへの執着の度合いは、先述の「自分が購入するターン」であることにどれだけの理由があるかに比例します。
その点において奇跡的な出会いでクルマを購入いたしましたので、納車報告としてまとめさせていただければと思います。
今回
が新たに購入したのはランチア・テーマのターボ16vというグレードです。わざわざこの記事を読みに来ていただいている方はご存じの車種かと思いますが、日本においては156とは比較にならないほど球数が少ないため知名度が低く、またアクのないデザインにより一瞥するだけではイタリア車だと見抜くことも難しいクルマだと思います。

フロントグリルや水平に仕切られたヘッドライトは特徴的ですが、全体のシルエットはありがちな角ばった3ボックススタイルです。
多くのクルマ好きにとってもそうだと思いますが、私から見てランチアはデルタやストラトスといったラリーカーのイメージが強いメーカーです。ただ同時にランチアは歴代イタリア元首の公用車を手掛けてきたメーカーでもあり、テーマはその両方のブランドイメージを引き継ぐ、当時のフラッグシップセダンです。
84年デビューの乗用車ではありますが、官用車としての滑らかさを意識したV6は初出74年のRPVエンジン、今回私が購入した直4は初出69年のランプレディ・ユニットとどちらも歴史ある心臓を搭載します。ターボ16vにおいてはランプレディはギャレット製タービンにより過給され、この構造は先述のデルタHF 4WD以降のラリーを意識したモデルに共通します。ただしリニアな過給により低中回転域において分厚いトルクを発生させるチューニングは、競技のためにピークパワーを重視したドッカンターボのデルタとは真逆の味付けと言えます。
他にフェラーリ製V8を横置きする8.32と呼ばれるスペシャルモデルもありますが、探せば資料はあるモデルですのでここでは割愛します。
156GTAの購入に踏み切った最後の判断材料が自分と同じ生まれ年であることだったように
にとってテーマは、この世に生を受けて初めて乗った車という特別な思い入れがあります。親は頻繁にクルマを入れ替える人だったのでテーマに乗った記憶はありませんが、
を産んだ妻を病院に迎えに行くために当時の父が購入したのがランチア・テーマのターボ16vでした。ボディカラーはランチアブルーです。
そのため実はずっとテーマの中古車が出てこないか、うっすらと探していたのです。しかし残っている個体が極端に少なく、インターネット上のサイトにはほとんど出てきません。そもそもそうした中で今乗りつづけている方々の執念が尋常ではないので、降りる方もいないのです。たまに掲載が出てきても8.32がASKになっているようなレベルで、購入に至るような機会は全くありませんでした。急いでどうにかなる問題でもないので、むこう10年のうちにご縁があったら嬉しいな、くらいが最近の心持ちでした。
ちなみに2026年4月23日現在カーセンサーでは8.32のASKが1台、グーネットでは8.32のASKが1台とV6ワゴンが1台掲載されているのみです。
そんな時、知人がSNSでテーマに乗りたい人をサラッと募集したのが流れてきたのがすべての始まりでした。上述のテーマへの思い入れは既に話していた人でしたので、冗談交じりに反応したところメッセージにて案件のご案内を頂きました。何より衝撃だったのがターボ16vのランチアブルーであったこと。
これを巡り合わせと称せずなんとあらわすのでしょうか?最初のDMを貰った時点で、既に私の心は決まっていました。
前オーナーは少なくとも2000年からこのテーマに乗り続けており、先日
が受けた継続車検まで含めて28年間一度も車検が切れることなく動き続けています。
ご本人のメモ書き、残っている大量の請求書類をまとめたのでその情報の一部を記載します。前オーナー時代を知っている方にはピンとくるものかと思いますので、もしいらっしゃったらSNSなどで教えて頂けたら嬉しいです。
基本的な車検整備などは自宅付近の工場で受けられていたようですが、日常のオイル交換などはDIYでやられていたようです。
直近の重整備として2022年、120,600kmの時にエンジン載せ替えを岐阜のテリフィックさんにて行っています。なお同ショップにて2005年、6万kmの時にもエンジンミッション載せ替えを行っており、現在のエンジンは3基目ということになります。
足回りは2017年、111,140kmの時にフロントをモンロー、リアをコニの新品ショックに交換しています。同年112,500kmの時にラジエーターやサーモスタット、センター・リアマフラーを交換しており、ラジエーターは2025年8月に洗浄作業をしています。
少しさかのぼりますが2012年、79,700kmの時にFキャリパーのASSYとOHキットを購入、OHしたものに交換されています。リアは右のみ2020年にOHしています。
内外装については2023年にボンネットを再塗装、運転席シートファブリックの補修が行われていますが、そのほかに再塗装など行った記録はありません。

せっかくの綺麗なフラッグシップセダンなので都心をドライブしてみました。代官山蔦屋書店前にて。
以上、ランチア・テーマの納車報告記事でした。
ちなみに引き取りの際に330kmの道のりをノントラブルで走破し、事前に予約しておいた引き取り翌日のユーザー車検(車検が5/10までだったので継続検査です)も一切車両に手を加えることなくパスしました。状態の良さは屈指のものです。
しかしながら各部は時間とともに消耗してゆきますし、部品の手配も決して楽な車ではないでしょう。少しでも長く安心して乗り続けられるよう、一層丁寧にクルマと向き合いたいですね。幸い整備も部品探しも大好物ですので、頂いたショップマニュアルとにらめっこしながら楽しくやっていきたいです。
